米利上げ先送りか?

マーケットは相変わらず中国に振り回されてますね。

中国は日米などの先進国と違って、GDPに占める個人消費の比率が異常に低いんです。

先進国は大体60~70%、中国は30%程度で残りの大半は設備投資が占めています。

ということは、景気が悪くなれば設備投資が低下し、必然的にGDPが縮小します。

したがって2ケタ成長が達成できなくなる。

というか、GDP自体が大きくなれば2ケタという数値目標自体も大きくなり、達成は困難になります。

日本もかつてはこのような構造でした。

が、根本的に異なったのは、人口も資源も中国に比較して乏しかったという点です。

図体のデカさにものを言わせず、頭を使って凌いできたと言えるでしょう。

  

「裸官(らかん)」と言う単語をご存知ですか?

中国の官僚とか一部のエリートは、すでに自国の将来に見切りをつけ、

家族や個人資産を海外に移し、必要最小限の資産だけを国内に残し、仕事をしている

そうした官僚たちのことを裸官と言います。

一党独裁の国ですから、個人資産の一切の差し押さえなど、いざとなったら何があるかわかりません。

そうしたことへの対策がすでになされているということです。

  

さて、米国では雇用統計を通過し、JOLTSも9日に発表されました。

その他当局要人の発言を含めて、概して、利上げを支援するような流れになってます。

したがって、9日の株価は中国の財政政策強化声明を受けて、

アジア株、欧州株が軒並み上昇したにも拘わらず米国株反落。

経済指標的には利上げの環境が整いつつありますが、

IMFや世銀のエコノミスト、そしてサマーズ元米財務長官やポール・クルーグマン(2008年のノーベル経済学賞)らが、

利上げ時期の先送りを提唱しています。

  

今、利上げをすると何が起きるか?

米国単体では、利上げをする環境は整いつつあるが、

かなり不安な中国や新興国など世界的に混乱を招く恐れがあるということ。

つまり、不安な国の通貨を持つより、金利も上がり、基軸通貨である米国ドルを買うという

新興国通貨売り・ドル買いが起きるわけです。

以前も新興国のデフォルト問題で同様なことがありました。

こうしたことを懸念しての利上げ先送り提唱なわけです。

  

これからFOMCまで1週間。

まだまだ米国指標の発表が多く予定されています。

そして、波乱要因の中国が何を言い出すか?

なんとなくイエレンさんもとりえず利上げを先送りする理由を探しているような気がします。

  

ポール・クルーグマンさんの本でちょっと古いけど読みやすいのがありますので、

『為替レートの謎を解く』 (東洋経済新報社、1990年)

読んでみてください。

 

 

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「FXの「ウラ側」を味方につける本」

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