ドル高の反動に要注意

5日、米雇用統計が発表されました。

失業率は0.1ポイント低下の5.4%だったものの、

非農業部門の雇用者数は予想の+22.5万人を大きく上回る+28万人、

さらに3・4月分も修正も行われてます。

平均賃金、労働参加率なども上昇し、労働市場の改善をうかがわせるものとなりました。

多くの州で最低賃金の引き上げを行っており、今後もこうした状況が続くとの見方が大勢になりつつあります。

したがって、利上げの時期が早まるのではないかという声も多くなり、

株式市場では売りが先行、その後は労働市場の改善≒景気の回復との見方から、

安値からは戻して引けています。

  

その利上げのタイミングですが、FF金利先物市場では、

前週一旦は後退したものの、1カ月前の水準まで戻しており、

6月の利上げはなさそうですが、一時は年明け以降と見られていたものが、

9月、12月の利上げを織り込みつつあります。

ただいつも思うんですが、ちょっと悪めの指標や当局者のハト派的な発言が出ると、

急激に利上げ観測が後退します。

すると金利が低下し、ドルが売られることになります。

  

5日の対ユーロでのドル高もまだ5月下旬の水準まで到達していないし、

まだ、本格的なものとは言えないような気がします。

ドル円で見ると2007年6月の高値を超えてきており、

2002年1月の134円台が次の上値のターゲットになりそうです。

反面、あまりにも急激な円安であり、調整が入ってもおかしくはありません。

つまり、ドル高一服の可能性もアタマにいれておくべきでしょうか。

  

来週は、日本のGDPの発表がありますが、

日本円は今や蚊帳の外。

ユーロやドルが主役で、相対的に売り買いされているにすぎません。

まぁ、いきなり利上げでもしない限り、日本の指標は参考程度に。

それよりも9日のEU圏のGDP、11日の米小売売上高ですね。

今週も2日にEUのCPIが上昇したことで、ユーロのショートカバーが誘われました。

予想よりも良ければ、売られているユーロを買い戻すいい口実になる可能性があります。

反対に米小売売上高では、悪ければドル買いポジションの解消の口実になります。

相場が、一方的に動いているときは、その反動のトリガーとなる指標やイベントには要注意です。

  

まったく関係ない話ですが、暇つぶしに読んだ本です。

大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)/佐藤 雅美

期待してなかったけど、なかなかおもしろかったです。

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