欧米金利差縮小、ユーロ売りの巻き戻しは続くか?

先週の金融市場は、下に行きたいドル円の下値をユーロ円などクロス円が支える展開となりました。

ユーロに対する不安は完全に払拭することはできていませんが、

事あるごとにユーロのシートカバーが誘われています。

要は、ユーロ圏の緩和政策による金利低下→株高、ユーロ安を背景とした

いろいろなポジションのRewindといったところでしょうか。

米国の株式市場では、週間ベースではダウで167ドルの上昇、NASDAQは86.69の下落。

やや個別株先行の状況で、外為市場への影響は限定的です。

  

注目は金利!!

ドイツの長期金利が上昇しており、

昨年12月(ECBが国債購入実施を発表した時)以来、5カ月ぶりの水準まで来ています。

これがユーロの買いの要因です。

11日にユーロ圏財務相会合が開催されます。

ギリシャの交渉団の再編などもあり、楽観的な見方がされているのと同時に

欧州サイドでは、引き続き厳しい見方をする当局者の声も聞かれています。

事の進展次第では、ドイツを筆頭に債券市場で動きが反転すると、

ユーロを支えていた金利も反転することになります。

  

前号で以下のように書きました。

—–
現在のユーロドルは昨年12月の下落から一時踏みとどまった水準にあり、

1.15ドルを上抜けてこない限り、センチメントが変わることはないでしょう。
—–

やはりもう少し日柄が欲しいところですね。

  

8日の米雇用統計では、

非農業部門の雇用者数の増減は、22.3万人増、3月の落ち込みから回復。

失業率は5.4%と、2008年5月以来約7年ぶりの低水準まで改善。

ただ、3月の就業者数は8.5万人増に下方修正され、約3年振りの低水準。

賃金の伸びの鈍化

ということで、まちまちな結果でした。

株式市場は、早期の利上げするほど良くはないと受け止め、

ドル円は終わってみれば、前日の終値とほぼ同水準。

ユーロドルは、前述のとおり金利差縮小分、上昇。

うーん、はっきりしない!

  

今週は、

11日、ユーロ圏財務相会合、
12日、EU財務相理事会
13日、EU圏1-3月期GDP速報値、4月の米小売売上高
15日、黒田日銀総裁が読売国際経済懇話会で講演

などが予定されています。

やはり注目は欧州関連のイベントです。

  

また、米国債の入札(12日・3年債、13日・10年債、14日・30年債)が行われます。

当然、すでにGPIFは買い付けると思いますが、すでにドル手当てをしていることもあり、

ポジショントーク以外には、それほど材料視されないでしょう。

同時に15日には、利払いが行われます(2月、5月、8月、11月の各15日)。

これも円転するとしても、フォワードで手当て済みでしょうし、

円転しないのであれば、再投資するのであまり材料にはなりません。

ただ、知識のひとつとして覚えておくといいですよ。

  

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