買える通貨がない…
今週は、FRB当局者の発言に振り回される一週間でした。
アトランタ連銀ロックハート総裁は、今まで「6月の利上げが適切」としてましたが、
「あいまいな経済はFRBが主要な行動を起こすうえで理想的ではない」と
「利上げまでしばらく待つことが好ましい」と姿勢を転じ、
2015年の投票権はありませんが、ハト派で知られるボストン連銀ローゼングレン総裁も
「米国経済は利上げの基準を満たしていない」
一方で、フィッシャー米FRB副議長は
「米経済は第1四半期のあと、成長ペースが加速する」
「(賃金も)上昇するいくつかの兆候が見られる」
「(インフレで)今後2-3年で2%目標に向けて上昇」
「雇用統計でひとつの悪い結果ののち良い結果が5-6回続く」
「市場はFRBが永久に金融政策を維持することに依存することはできない」
と強気な発言をしてます。
前号で「基本的にドル買い?」としてましたが、やはり「?」でした。
米国株は弱めの指標が多かったことや中国の空売り規制緩和報道、欧州株の下落などもあり、
ダウは前週末比-231ドルとなり、債券が買われることとなりました。
10年債で1.865%まで利回りが低下し、欧米金利差の縮小からドルが売られたという流れです。
それに加えて、15日のECB理事会後の会見でドラギ総裁が、
「QEは継続、持続的なインフレ調整が見られるまで」
「ECBは、預金金利を引き下げない」
「QEの早期終了観測に驚き」
と発言しました。
一部では、QEの早期終了も噂されていたこともあり、ユーロのショートカバーが誘われ、
これもドルの下押し要因となってます。
今週FRB関係者がいろいろ発言したのは、
29日からのFOMCを前に21日からブラックアウト期間に入るからです。
以前も書きましたが、この期間中は金融政策や金融経済情勢に関して発言をしてはダメよ
というのがブラックアウト期間です。
ということで、来週はこうした発言がなく、指標やギリシャ問題に焦点が集まります。
米国の指標は、住宅関連、耐久財受注など注目され、
予想を下振れると早期利上げ観測が一さらに後退し、ドルが売られる展開になります。
ギリシャに関しては、24日にユーロ圏財務相会合が開催され、
ギリシャの改革に関する合意がなされるかどうかが注目されます。
仮に合意しないと、ギリシャはIMFへの5月の融資返済期限10億ドルが不可能となり、
デフォルト→ユーロ圏離脱 ということにもなりかねません。
でも、ドラギ総裁が先の理事会後に
「ECBはギリシャの銀行へ資金拡大を続ける」
「ギリシャのデフォルトを熟考したくない」
と発言しているので、なんとかなるのではないでしょうか。
こうしてみると、日欧米3極ともに積極的に買える状況ではありません。
(結果的には相対的に何か買うことにはなりますが)売りから入るということになってきます。
招金猫的には、複数の通貨ペアをウオッチして、
短期・中期・長期のレジンスタンスをしっかり見極め、
戻り売りスタンスで行こうかなと考えてます。
それではまた。