ドル高一服の可能性も…
今週の外為市場のドル円は、ドルの強さから一時122円台に乗せたものの、
ユーロの弱さが対円にも波及し、ユーロ円の下落がドル円の上値を抑えました。
そのユーロの弱さは、9日から始まったECBの債券買い入れ(=利回り低下)、
さらには前週の米雇用統計が強かったこともあり、ユーロドルは予想通りの下値模索の展開。
ギリシャ以外のほとんどの国の中長期債が買われ、利回りは過去最低を記録するものが続出してます。
でもね、問題があるんですよ。
独5年債などは利回りがマイナスなので、ECBにとっては損失となるんです。
この辺がまだ合意に至っていないとか…
スイスフランショックを思い出してください。
あれは、スイス中銀がユーロを買い支えていたけど、
もうこれ以上の損失は耐えられないと投げ出した結果です。
ECBの債券購入による損失がどの程度になるのかは、まだ買い続けるでしょうから不明ですけど、
将来スイス中銀がユーロを投げたように、債券の投げ売りをするかもしれません。
買付の継続やその規模については、ギリシャがどうなるかに左右されることになります。
さて、来週はFOMCと日銀金融政策決定会合が開催されます。
日銀は、据え置きで特に波乱はなさそうですが、黒田総裁が追加緩和を匂わすような発言をすれば、
多少ぶれるかもしれません。
しかし、メインは米の利上げ動向です。
以前も書きましたが、
米国はある金融政策を始めるときには、「いきなり」でマーケットにインパクトを与え、
反対に止めるときには、「ゆっくり」とマーケットに織り込ませます。
スイスのような無茶はしません。
特に米国の利上げ=世界のお金が米国に集まることになるわけですから、
下手をすれば、ドルの全面高、他通貨の全面安を招きかねません。
今度のFOMCでは、「辛抱強い」との文言を削除するかが注目されていますが、
仮に削除されても、会見でイエレン議長が利上げを急がないようなスタンスを見せて、
バランスを取ることが予想されます。
削除しないで、さらに利上げを急がないようなこととなれば、ドル高も一服する可能性があります。
このあたりが要注意ですね。
FOMC前には手仕舞いをお勧めします。
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