どうなるユーロ?
今週はECBが9日から実施される量的緩和の詳細を発表し、ユーロが売られ、
米雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想を大きく上回り、ドルが買われました。
で、どうなっているのかを見てみると…
ECBが量的緩和(≒債券等の購入)をすると欧州全体の金利下げ圧力となり、
金利面でユーロは対ドルで売られやすくなる。
米雇用統計が良好だったことで、米の利上げ観測が高まり、金利面でドルが買われやすくなる。
米金利の上昇は、株価の圧迫材料となり、6日のダウは280ドル近い下落を見せました。
ここで常々お伝えしていることと矛盾を感じませんか?
株式が売られると債券へお金が流れる…
6日は債券も売られているんです(利回りは上昇)。
週末でもあり、利上げ観測の高まりもあり、債券には資金がシフトしなかったんです。
ということは、ドルというキャッシュで持っている投資家・投機家が多いということです。
この一時的に留保されている資金がどこへ向かうのか?
今のところまだ見えてこないのですが、利上げ時期がいつになるのか?
これ次第でまた債券に向かうか、株式市場に回帰するのか、
日々の指標や要人の発言に振り回されることになります。
雇用統計では、非農業部門雇用者数、失業率ともに予想を上回り、
17-18日のFOMCでフォワードガイダンスの「辛抱強く」の文言が削減されるのでは、
との観測が高まり、ドルを押し上げました。
しかし、イエレンさんが気にしている雇用のたるみ、賃金の上昇、インフレ率が
まだまだ利上げができるところまでは来ていません。
したがって、6月の利上げが100%ではないということ。
前号でも書いたように、ユーロの下値模索が基本となりそうですが、
大きな節目1ユーロ=1ドルが近づいてきたこともあり、
その水準では、それなりの下値拾いというかショートカバーが誘われそうです。
欧州では量的緩和がユーロの売り圧力になっています。
反面、景気回復を示唆する指標もチラホラしており、
場合によっては、ユーロ安/ドル高に調整が入ってもおかしくないということです。
基本、大きな流れに逆らわず、Hit & Away のスタンスが無難かな。
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