米中間選挙よりも、ECBが波乱要因?
日銀のサプライズ、追加緩和も米国金融市場では早一服。
株式も為替も一段高にはなっていません。
今週は欧米でそれぞれイベントがあります。
米国では中間選挙が4日行われ、少しずつ開票されているようです。
現在の議会は、政権与党である民主党が上院で、共和党が下院で過半数の議席を保有しています。
俗にいう「ねじれ」です。
今回の中間選挙では、この「ねじれ」が解消されるかが焦点です。
これは、民主党が下院でも過半数を確保するというのではなく、
共和党が上院でも過半数を確保するということです。
元来、米国では大統領のいる政党ではない政党が過半数を占めると、
様々な法案が通らなくなり、いろいろな政策が変わらないという傾向にあります。
特にオバマ大統領の支持率の低さが民主党批判へとつながっており、
米メディアでは、共和党の勝率は60%超と報じられ、
「ねじれ」解消が予想されています。
共和党が圧倒的な過半数を占めることは困難であり、
与野党の協力なくして、政策運営はできません。
覚えていますか?
昨年10月の連邦政府閉鎖を。
12月11日に現在の歳出を賄っている「つなぎ法案」が失効します。
また、来年3月15日には債務上限の引き上げが必要となります。
こうした問題に非協力的な行動を起こせば、国民からの非難を浴びることになり、
やはり協力していくしかないのです。
仮に共和党が法案を通しても、オバマ大統領には拒否権があります。
さて金融市場はどうなるか?
結論から言えば、あまり影響がないかと思います。
マーケットの眼は、財政問題には向いておらず、FRBマターの金融政策に向いているからです。
ただ、瞬間的に株式市場で材料視されることは十分考えられますので、ご注意を!
次はECB理事会です。
先週後半からECBもFRB型の量的緩和をするのではとの思惑から、ユーロが売られてました。
しかし、ECBメンバーであるEU各国の中央銀行総裁の間で、
ドラギ総裁の議事運営スタンスが、秘密主義的で、合議的ではないと不満が高まっていると報じられたことから、
ECBの量的緩和への期待が後退し、ユーロが買い戻されました。
ユーロが対ドルで買われ、つれてドル円も軟調になってます。
現在、ECB理事の中では、FRB型の量的緩和について24名のうち7~10名が反対していると伝えられています。
ちょっと前にイタリアのメディアが「ドラギ総裁とビスコ中央銀行総裁がECBを退任、
ビスコ総裁がレンツィ伊首相の後任に、ドラギ総裁はナポリターノ伊大統領の後任に指名される」
と噂話みたいな報道をしてました。
ここまではなくても、ドラギ総裁がブチ切れて、辞任するくらいのことはあるかもしれません。
いずれにしろEU圏経済は波乱含み、
ユーロが買われるのは、今回のように売り材料が後退したときだけ、
つまり、積極的に買われる場面は当面なさそうです。