今週は欧州主導で動くか?
先週も株式市場は荒れ模様となり、債券が買われ、
米国10年債は一時2.0%割れとなりました。
反対に週末17日はダウは全面高となり、債券もそこそこ売られました。
それにしても、外為市場はそれほど一方的な流れにはならず、
ユーロドルは1.2750を挟んで、バタバタしてます。
最近の動きの根底には、欧州を中心とした世界経済の先行き不安があります。
前号でも書きましたが、これに米国も引っ張られているというのが現状です。
先週は、FRB当局者から
・ロックハート・アトランタ連銀総裁、「雇用市場は依然、正常から程遠い」
・ブラード・セントルイス連銀総裁、「FRBはQE終了の先送りを検討すべき」
などと、利上げ時期の先送りを促す発言が出る一方で、
・プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁、
「FRBは従来予想されていたよりも早い利上げの準備を」
「欧州の景気鈍化、米国経済を回復軌道から脱線させるほどではない」
という発言もあり、市場はQE3の行方を判断するのに手こずっており、
ドル高・ドル安を見極めきれない状況です。
期待していたイエレンFRB議長は、ボストン地区連銀主催の講演会で、
最近の市場動向や金融政策に言及することなく、
所得や富の格差拡大を「非常に」憂慮しているとの認識を示しただけでした。
あくまで私見ですが、QE終了の先送りはなく、今月で終了するでしょう。
さもないと、FRBは方向転換したとも受け止められる可能性もあり、
金融市場を中心に波乱を呼ぶことになるからです。
あとは声明文で金利先高感なく、フォワードガイダンスをどうするかでしょうか?
17日に欧州発の材料で、欧州株、米国株の上昇となりました。
クーレECB理事が「数日中に資産購入を開始する、必要とあれば追加措置を講じる」
と発言がきっかけでした。
本当に実行するのか、その実効性については、かなり疑問ですが、
マーケットは週末のポジション調整、ショートカバーの口実にしたようです。
特に具体的な策が施されないとまた… というのは意識しておくべきでしょう。
今週は、特にイベントがないことで、日々の経済指標次第の展開です。
20日、独・消費者信頼感
21日、中国の7-9月期のGDP、鉱工業生産
22日、米・CPI
23日、EU・消費者信頼感指数、サービス業PMI、米・景気先行指標総合指数
24日、米・新築住宅販売件数
23-24日、欧州連合首脳会議
など予定されています。
ただ、今週はブラックアウト期間入りしてますので、FRB当局者からの発言はありません。
したがって、ECB当局者の発言が出れば、それなりインパクトがあると考えられます。
今週は欧州主導で動くかもしれません。