欧米の金利低下傾向は…

14日に発表された独の10月ZEW景況指標、ユーロ圏の9月鉱工業生産は

市場予想を下回り、独政府は今年の成長見通しを従来の+1.8%から+1.2%へ、

2015年は+2.0%から+1.3%へ下方修正。

独10年債利回りが過去最低水準を記録、

米10年債利回りも一時昨年6月以来の低水準の2.174%まで低下しました。

このようにEU圏を中心とした世界的な景気の先行きに対する不安感から、

リスク資産離れが進んでいます。

リスク資産離れ=債券買い=利回り(金利)低下

であり、世界経済にとっては好ましいものではありません。

  

金利低下を背景に今まで相対的に買われてきたドルが対円では売られています。

しかし、対ユーロでは欧州の金利低下も著しいことで、ドルはまだ買いやすい環境にあると言えそうです。

ということは、3極通貨で言えば、ユーロ円の売りが一番確率が高いかもしれません。

でも、招金猫はユーロ円のトレードはやらないので、実際ののところは何とも言えません。

単なる三段論法での推測です。

  

17日に予定されているイエレンFRB議長の講演について、前号の補足です。

前号で、以下のように書きました。

—–
ベージュブックで景気の拡大が確認されれば、ドル買いを支援することになります。

ただ、イエレンさんは引き続き慎重な発言を繰り返すことが予想されます。

早期利上げを匂わせれば、株価を圧迫することになりかねないからです。
—–

FRBが利上げに前向きなスタンスを示した場合、2つの反応が考えられます。

1.利上げを嫌気する株式売り
2.利上げを好感する株式買い

一見、相反する反応ですが、それには背景の違いが挙げられます。

1は、企業収益にとっては負担になるとの考えから起きる反応です。

2は、利上げにしても大丈夫なくらい経済は強いんだという解釈に基づく反応です。

今回は、世界的な景気の先行き不透明感、不安感があり、米国株式も軟調です。

したがって、今回利上げの前倒しを匂わせれば、1の反応を示すことが予想され、

債券へと資金シフトが起き、ドルは売られるという図式を描くことができます。

米国としては、ドル安は特に問題ありませんが、株式の下落は避けたいというのは当然です。

ただ、マーケットがFRBの意図しない方向で織り込むを嫌っており、

強弱どちらかに傾かないように、イエレンさん以外の当局関係者が

バランスを取るような発言をすることが予想されます。

  

14日にシティグループが日本を含む11市場で消費者向け銀行事業から撤退する計画を発表しました。

第3四半期の決算は好調だったのになんで? という感もありますが、

日本におけるビジネスモデルの違いがあるからです。

アメリカでは、金融商品の販売手数料が収益の根幹にあり、

日本と比較してリスク志向が強い米国では、がっぽり稼いでいます。

しかし、日本では販売手数料ではなく、金利収入により収益を上げるという構造になっています。

つまり、金利が低いということは、それだけ稼げるチャンスがないということで、

撤退は当然かとも思います。

むか~し、日本には短資会社がいっぱいありました。

短資会社は金利のダイナミズムにより、収益を上げていました。

低金利で稼げなくなると、そのビジネスモデルから脱却し、

いまや当時のノウハウを生かすべく、FX業者に様変わりしています。

  

今晩は、ベージュブックがあります。

この中には、このところの世界経済に関しては、ほとんど含まれていない可能性が

高いので、なかなか前向きな内容になると考えられますが、

イエレンさんの講演までは、様子見しておくべきかと思います。

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