イベント通過、あらたな主役登場か?
先週は大きなイベントが2つありました。
まずは、ECB理事会。
結論からすると、ドラギ総裁が追加緩和について具体的に言及しなかったことが失望され、
欧州株の下落、ユーロのショートカバーを誘い、
リスク回避の動きからドル円は下落、ユーロドルは上昇
という動きになりました。
前号でも書いたように「今回の理事会ではなにもない」というのが事前予想だったのに、
終えてみたら失望の欧州株売りとかユーロのショートカバーとか。
アナリストらの言い訳にされた感がありあり。
以前から言われていた「カバードボンドを10月中旬から購入、ABSは10-12月期に購入」も
その効果のほどは疑わしいというのが、マーケットの声です。
ABSは国債より利回りが高く、誰も買付には応じなさそうです。
それにいくら資金を市場にばらまいても、
資金を調達したいと考えている向きがどれほどあることや。
やはりFRB型の金融緩和準備の時間稼ぎなのか?
なんかぼやきが多いけど、次は雇用統計について。
非農業部門の雇用者数が+24万8000人増で市場予想の+21.5万人を上回り、
失業率は5.9%と、6年ぶりの低水準となりました。
また、前々号でも書いたように7・8月分もぞれぞれ6.9万人上方修正しています。
この日は、雇用統計以外にも貿易赤字の予想外の縮小、
ISM非製造業総合景況指数の上ブレもあり、
早期利上げ観測が台頭し、ドルが買われました。
株式も全セクターで上昇しています。
つまり、早期の利上げとなっても米国経済は大丈夫とマーケットが判断した。
ということなのかな?
なんとなく違う気がします。
株式は、このところ軟調だっただけに、ショートカバーが多かった。
債券が買われなかったのは、株式が高かった上、
今週総額610億ドルの国債の入札が控えているから…
全面的に早期の利上げとはいかないような気がします。
10月6日から労働市場情勢指数(LMCI)と呼ばれる新たな労働関連指標が公表されます。
LMCIとは、失業率や企業の採用計画などの19の指標で構成され、
労働市場全体が改善しているかどうかを見る単一指標らしいです。
基本的に、雇用統計を発表した翌営業日の米東部時間午前10時以降に公表。
また、この指標はFRB内の調査分析結果で公式統計ではないので、
事前に通知せずに発表を延期、改定あるいは算出手法を変更することがある。
ということです。
場合によっては、この指標が今後の労働市場環境を見る主役になるかもしれません。
基本的にドル円は10月1-2日で調整終了し、再度上を目指すというのが、
市場参加者のメインシナリオです。
慎重派は、1日の高値110.09円を抜けてから、ドル買い再始動といったところでしょうか。
今週は、6日から7日まで日銀金融政策決定会合が開催され、
7日の終了後に黒田総裁の会見があります。
またまた円安頼みのシナリオを展開するのでしょうか。
あとは、前述のLMCIが注目です。
初回なので、どんな反応を示すかわかりません。
ポジション保有は要注意です。