FOMC、金利見通しはタカ派
FOMCを受けて、6年ぶりの108円台ですね。
声明でQE3終了後も「相当な期間(considerable time)」、
事実上のゼロ金利を維持する方針をあらためて表明しても、ドル高です。
とりあえず、声明とイエレン議長の発言を。
・FOMC声明
「資産購入策が終了した後も「相当の期間」異例な低金利を維持する」
「再投資終了の時期は経済次第」
「非常に緩和的な政策が依然適切」
「見通しが維持されれば、QEプログラムは次回会合で終了」
「労働市場に労働力活用の著しい低さが見られる」
「インフレはFOMCの長期目標を下回る」
「経済は緩やかなペースで拡大、労働市場は改善」
「決定は8対2」
「プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁、フィッシャー米ダラス連銀総裁が反対票に投じる」
・イエレンFRB議長の会見要旨
「経済は引き続き目標に向けて進展」
「最大雇用に向けて進展が見られる」
「労働市場は完全に回復していない」
「インフレは2%目標に向けて緩やかに上昇へ」
「労働力の活用が依然極端に低い」
「利上げのペースは経済次第」
「FOMCが後手に回っているわけではない」
「反対票の数は驚きではない」
「資産の再投資はいずれ終了、規模縮小も」
「金利見通しで、市場とFOMCに差があることは明らかではない」
「労働源の活用が十分でない」
「賃金上昇の低迷は労働市場の停滞を反映」
「相当の期間の公約は条件付き」
「利上げの時期は経済指標次第」
マーケットでは、景気の改善を根拠に「相当な期間」の文言削除を
期待する向きもありましたが、FRBは労働市場の緩みを根拠に
文言削除を見送ったようです。
ただ、満場一致ではなく、
プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁、フィッシャー米ダラス連銀総裁が反対しました。
その理由として、急な引き締めが必要になった場合、足枷になるというものです。
金利見通しには変化が見て取れます。
2015年末時点の金利見通しは中央値で1.375%(前回1.125%)、
2016年末は2.875%(同2.50)でそれぞれ前回から上昇。
今回初めて見通しに含まれた2017年は3.75%。
注目は、利上げの時期は早まらずに、その後の金利上昇ペースが速くなっているということです。
結論として、文言はほとんど変わっていないけど、金利についてはタカ派的と言うこと。
それを受けてのドル高です。
つまり、”当面は”、事実上のゼロ金利は継続する
≒株高≒債券安=金利上昇=ドル高
ということです。
ただ、株高も小幅にとどまっており、地政学的リスクなどにより、
大規模な債券への資金シフトが起きれば、金利低下=ドル安もあり得るということです。
ちょっと中長期のシナリオが玉虫色になってきました。