リスク回避は当然だよ。日銀さん!

先週は、ECB理事会、日銀金融政策決定会合などのイベントがありましたが、いずれもサプライズなく、通過。
しかし、地政学的リスクを材料に米国債への資金シフトが続いてますね。
8日には、10年債利回りが一時2013年6月以来の水準、2.3490%まで低下、買われました。

単に米国債が安全資産として買われるのではなく、独10年債が過去最低となる1.024%まで低下しています。
つまり金利面でも米の優位性が評価され、米国債買いを支援しています。

その背景には7日のECB理事会後の会見でドラギ総裁が
「金利は長期にわたり現行水準に」
「ECBとFRBの金融政策は長期にわたりカイ離」
と発言したことがあります。

FRBは金融緩和政策から出口を探る状況で、2015年中には利上げに踏み切る可能性が高く、
ECBはマイナス金利に加えて、これから量的緩和すら選択肢に入っている状況です。

為替市場で、ユーロはすでに7月の高値1.370ドルから1.3330ドルまで売られており、
一旦このあたりで小休止といった展開になってます。
ただ、ここから下に絶対的なサポートもなく、反転する保証もありません。

なにしろドラギ総裁は、
「ファンダメンタルズはユーロ安方向」
と発言してますし、
経済成長期でない現状はユーロ安を望むのは当然のことです。

基本的な流れは、ユーロ安ですが、ユーロ・ショートがかなり積まれています。
俗にいう玉の回転が効かない状態ですので、一度ポジションの解消で反発しないと、
もう一段の下値トライは厳しいかもしれません。

さて、日銀金融政策決定会合ですが、
量的・質的金融緩和政策の継続を全員一致で決定。
具体的な景気判断は
輸出と生産を下方修正し、
雇用・所得環境と個人消費の判断を進め、
結果として景気の総括判断を「基調的には緩やかな回復を続けている」に据え置きました。

やはり黒田総裁は表現もバランスを取り、強気スタンスを維持するように努めているようですね。

ただ、リスク回避の株安・円高について、マーケットが「先読みして動いている」と発言してます。

当たり前でしょ!

日銀さんこそ、先読みして動いてくれなきゃダメでしょ!

日銀が地政学的リスクがこれ以上高まらない保証してくれるなら、みんな安心して株式を買いますよ。

そうでない以上、自分の資産を守る行動にでるのは、投資家として当然です。

その地政学的リスクは、いよいよイラク北部で米国が人道的な空爆を始めました。
あれだけいろいろ言ってたノーベル平和賞受賞のオバマ大統領が。
なにしろ戦商国家ですし、ユダヤには米大統領すら歯向えません。
金融市場と違って、地政学的リスクにはスケジュールがありません。
いつどこでなにが起こるかわかりません。

先読み、リスク回避行動は当然。

今週は日本ではお盆休みの企業が多く、
東京時間の流動性が低下します。
こうしたリスク回避もお忘れなく。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ