FX、今週も金利動向次第?
FOMCを終えて、手がかり難という状況が続いています。
ダウは6営業日続伸となりましたが、債券から株式への資金シフトも起きていません。
ダウなど株価はFOMC前と比較するとかなり上昇しているけど、10年債利回りはほとんど変わらず。
ということは、債券は売られていないということになります。
イラク情勢を受けて、金や原油も買われています。
したがって、何かが売られているはずなんだけど、今一つぴんと来ません。
もしかすると今まで投資を控えていた資金があらたにマーケットに流れ込んだのかもしれません。
長年の金融緩和で資金はジャブジャブに溢れているはずですからね。
FOMCでは直前のCPIの上昇からタカ派色が強まるのではとの見方がありましたが、
イエレン議長は、そんな見方を「最近のCPIは高め」「変動が激しくいろいろな要素が含まれる」と一蹴。
結果、ハト派的なものになりました。
ということで、金融緩和が終了しても相当な期間緩和的な政策を続けると
その反動で利上げ時期が早まるとの見方が台頭してます。
今週は比較的材料が少ないですが、複数の地区連銀総裁が講演を行います。
FOMCの後だけに、その発言内容が注目されます。
また、26日のPCEデフレータも注目です。
コアで前月比+0.2%が予想中央値ですが、
これを大きく上回るようなことになると早期の利上げ観測が台頭し、
債券売り(金利上昇)・ドル高へと動くことになります
主な予定は以下の通り
・6月24日
プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁(2014年投票権有)講演
ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁(2014年投票権なし)講演
・6月25日
1Q・GDP確定値
・6月26日
ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁(2014年投票権なし)講演
5月個人消費支出PCEデフレータ
なんとも読めないのは2つの地政学的リスクですね。
イラク情勢、数では大きくISILを上回る政府軍ですが、
実戦経験の乏しさから苦戦を強いられており、長期化が予想されています。
オバマ米大統領は、イラクより要請を受けた空爆は選択肢として残しているものの、
軍事より外交での解決を優先し、地上軍の派兵を否定しています。
招金猫に言わせてもらえば、空爆しようが地上軍が行こうが、根本的な問題は解決しません。
中東で戦争が繰り返されているのは、宗教・宗派・民族間対立があるからで、これはどうにもなりません。
空爆でISILをやっつけても、また次の反政府勢力が出てくることになります。
誰が中に入って、どのように折り合いをつけるかという極めて困難な方法でしか解決しないでしょう。
長期化して、シリアのようにならなければいいのですけどね。
今のところイラク情勢は、リスクオフの要因にはなりますが、それほどマーケットに影響をもたらしてはいません。
一応、原油価格については注視しておきましょう。
ウクライナについては、ポロシェンコ大統領が東部の親ロシア派武装勢力との戦闘で、
20日から1週間の一方的停戦を宣言し、
地方の自治権拡大など15項目の和平計画を公表しました。
まさしく一方的な宣言ですから、応じなければ…
といういわば、ロシア側が言うとおり最後通告ということでしょう。
こちらはイラク情勢よりもかなり時間が経過していることもあり、
マーケットはそこそこ織り込んでいます。
今後、エネルギー問題で欧州経済へ影響が出てこない限り、一段の波乱要因にはならないかもしれません。
やはり今週も為替市場は金利動向次第です。