FXトレード、今週の金融市場

先週は日米の金融市場でイベントがありましたが、いずれも大したインパクトもなく、結果あまり変わらずの内容でした。

日銀政策決定会合とFOMCについては、既報ですので前号をご覧いただくとして、
今回は、2日の雇用統計と今週に注目点についてです。

まずは、雇用統計ですが、

非農業部門雇用者数は市場予想の+21.8万人を大きく上回る+28.8万人
→2014年度の平均は+21.4万人となり、FRBの言う正常な労働市場の定義+20万人をクリア
失業率は、3月の6.7%から低下し、予想6.6%を下回る6.3%
→2008年9月以来の低水準

ということで、
発表直後にドルが大きく買われ、ドル円は103ワンタッチ、ユーロドルは1.3810まで下落

しかし、

失業率の低下の原因が労働参加率が62.8%(3月63.2%)、1978年以来の最低水準によるものだと判明

ほかにも平均時給が前月比変わらずで(予想+0.2%、3月+0.1%)、賃金の伸びが見られていません。

イエレンFRB議長が気にしている労働関係の指標(賃金、労働参加者数、長期失業者数)は依然ダメダメです。

これで、一気に利上げは当分先と見たマーケットは、発表前の水準よりも戻す展開となりました。

結論として、雇用統計は強弱入り混じった結果で、往って来いということですね。

 

さて今週のポイントですが、

1.イエレンFRB議長の経済合同委員会、上院予算委員会での証言
2.ウクライナ情勢

「1」についてですが、ほかにもいろいろあります。

6日:スタインFRB理事
7日:イエレンFRB議長上下両院の経済合同委員会で経済見通しについて証言
8日:イエレンFRB議長上院予算委員会で証言、
プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁、
タルーロFRB理事、ブラード・セントルイス連銀総裁
9日:コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁

みなさん、あちこちでいろいろ発言するようですが、やはりイエレンさんがメインでしょう。

おそらく雇用統計の結果について、市場の反応が正しかったことを裏付けるような内容で、
サプライズがなければ、無風かな。

 

「2」のウクライナ情勢はキナ臭くなってます。

・2日にウクライナ軍が、ウクライナ東部ドネツク州のスラビャンスクで、政府関連庁舎を占拠する親ロシア派武装勢力に対して、新たな制圧作戦開始。親ロシア派がウクライナ軍のヘリ2機を撃墜。
・ロシアはスロヴィアンスクでのウクライナ軍の軍事行動に関し、国連安全保障理事会に緊急会合を要請
・米独首脳が25日のウクライナ統領選が対ロ追加制裁発動期限と会見

とまあ、こんな感じです(決して他人事のようには思ってません)。

外為市場は雇用統計に振り回されましたが、株式・債券はこれらに敏感に反応していますね。

2日のダウは45.98ドル安、SP500は2.54ダウン、NASDAQは3.55ダウン

米債市場では、長めの国債が買われ、30年債の利回りは10カ月半ぶり水準に低下、
10年債利回りも3カ月ぶりの低水準となってます。

つまり、株式市場から債券市場に資金が流れているということですね。

このマネーの流れは、紛争という通常の経済指標によるセンチメントの変化に基づくものではなく、

なにか起きればコロッと変わってしまうものです。

したがって、一概に株式から債券へと流れが変わったのではなく、一時的に安全資産へと退避したとみるべきでしょう。

もちろん事態が悪化すれば、退避が長期化することもあるかもしれません。

欧米はロシアに対して25日というタイムリミットを突きつけたわけです。

裏を返せば、25日までは欧米はなにもしないとも受け止められます。

ロシアが無茶をしなければ、いいのですが…

債券への資金シフトが長引かないことを願います。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ