FX、ウクライナ問題でどうなる?
今回は、ウクライナ問題について…
まあ、いわゆる「地政学的リスク」ですね。
ネットで意味を調べると、
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地政学的リスク 【 geopolitical risk 】
ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが、
地理的な位置関係により、その特定地域の経済、
または世界経済全体の先行きを不透明にするリスクのこと。
(「マネー辞典」より転載)
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ってなことが書かれてます。
ニュースや新聞で報じられていることを、いまさら書く気はありません。
結論ロシアはクリミア半島が欲しかったということかな。
「ウクライナ問題」といいつつも、
招金猫が注目しているのは、
すでに「ウクライナ問題」ではなく、
ロシアが引き起こしたウクライナ問題が、
世界経済にどのような影響を与えるか?
さらに、お金の流れにどのような変化が現れるか?
外為市場にどう影響してくるか?
これは、招金猫がいつも行う「微分的思考」です。
どういうことかというと、
大きな問題をとりあえず理解し、
さらに細かく自分のトレードに影響する分野に切り分けて見ていく
ということ。
ロシアは、グルジアの時と同様にこのまま済し崩し的にすませるつもりで、
欧米も最終的にはそうなると考えているはず。
たしかにロシアはアルゼンチンよりは大国であり、影響は大きいけど、
2013年のGDPは2兆1000億ドルしかなく、
日本の半分以下、中国の5分の1、米国の8分の1しかない。
1人あたりのGDPも米国の3分の1以下。
そして、軍事費を見ても、
1位米国、6820億ドル、
2位中国、1660億ドル、
3位ロシア、907億ドル
ちなみに日本は5位で、4位の英国とほぼ同額の600億ドルを支出。
(シンクタンク・ストックホルム国際平和研究所、2013年4月発表)
日本よりは多いけど、米国と比較すると7分の1
金額ベースでは、すでに軍事大国ではない。
だから、そうした観点からは、欧米はあまりまともに取り合う気はないかもしれない。
ただ、世界的な経済への影響がでてくるとなれば、話は別。
とりあえず、ロシアへの経済制裁が一番影響してくると考えられるけど、
ロシアの欧米等の制裁に対抗する術は、天然ガスのみ。
ただし、これも、ロシアにとって最大の外貨獲得手段であり、
禁輸などしたら、自らの首を絞めることになってしまう。
万が一天然ガスを禁輸しても米国にはシェールガスがたんまりあるので、
これを欧州に振り向ければいい。
でも、これは米国内のエネルギー価格の上昇を引き起こすので、できれば避けたい。
一方、ウクライナは、
経済的にIMFの資金援助を受けなければ、立ち行かない状況であり、
欧米から見た場合、実はウクライナがどこの属国でも構わない。
つまり、
欧米には
経済的にも軍事的にも、
ロシアをやっつけるメリットもウクライナを助けるメリットもないということ。
招金猫的な結論では、
G7からのロシアの締め出しとか、ソチでのG8不参加とかを決定した。
しかし、実効性のあるものは今のところない。
つまり、
ウクライナ問題は、マーケットの後付けの変動要因でしかなく、
お金の流れを大きく変えるということはない。
ロシアが資金不足で保有している米国債を売却するとかはあるけど、
一気に売却して、価格を下げることはできないだろうし、
少額なら今の市場は簡単に吸収しちゃいます。
で、もうすこし具体的にみると、
結果なにも変わらないかもしれないけど、
投資家はリスク要因がある以上はなんらかの対策を講じます。
とりあえずは、
米国への資金還流、ドル高・米国債高
リスクオフのスタンスから、日本株売り・円売りヘッジのリワインド
ということは…
あと自分で考えてみましょう。