「FX業者の健康状態」のお話、ふたたび
そろそろ年度末。
ということで「FX業者の健康状態」って感じのお話、ふたたび
昨年の10月にも半期末ということでブログでは同様のお話を書きました。
今度は年度末なのとメルマガしかご覧になっていない方もいらっしゃると思うので、
しつこいかもしれませんが、大事なことなのでまた書きます。
我々投資家は、FX業者にトレード用のお金を預けています。
そして一番の懸念材料は、その業者が大丈夫なのか?ということでよね。
それゆえ、その業者に破綻のリスクはないか、資金的な健康状態を図るバロメータがあります。
それが「自己資本規制比率」(通称:比率)です。
これは
「保有資産の価格変動等のリスクが顕在化した場合に、
短期間に対応できる支払い能力を有しているかどうかを示す指標」です。
FX業者に限らず証券会社や銀行など金融商品取引業者は、
金融商品取引法(金商法)という法律に則り、事業を行うわけですが、
この法律に計算方法が定められています。
計算方法は
自己資本から固定的な資産を控除した「固定化されていない自己資本の額」を
発生し得る危険に対応するリスク相当額、市場リスク・取引先リスク・基礎的リスクの3つ
で除して算出します。
ざっくり言うと、
利益が上がっている業者は、固定化されていない自己資本(分子)が大きくなり、
リスク資産(分母)が多少増えても問題はありません。
利益が上がっていない業者は、分子がどんどん小さくなり、比率は低下することになります。
比率は、業者内では毎日計算されています。
これを毎月管轄の財務局に翌月20日までに「モニタリング報告」という
定められて形式の書類を以って提出することが義務付けられています。
その中身は、比率は当然としてその計算根拠となる資産状況から
顧客の取引状況など様々なデータです。
これを当局は、毎月チェックして「自己資本規制比率」が200%を割り込み、
低下が続いているようだと、まずは「おいおい大丈夫かよ」と問い合わせてきます。
要は目を付けられるということです。
さらに「比率」が
140%を下回ると、
「金融庁に届出を要する」
120%を下回ると、
「金融庁は業務の方法の変更を命じ、
財産の供託その他監督上必要な事項を命ずることができる」
100%を下回ると、
「金融庁は、3カ月以内の期間を定めて業務の全部
又は一部の停止を命ずることができる」
という感じです。
業者は、できるだけ当局から目を付けられたくないので、
月末の比率の数値を引き上げるべく、努力しています。
その一例ですが、
リスクとして大きな比率を占めるカバー先に預けてある証拠金を少なくします。
特に海外の業者をカバー先としている場合、国内の銀行等と異なり、
リスクウェートが高いため、それを出金するなどの作業です。
特に今回は年度末ですから、決算公告にも残る非常に大きな意味を持つ数値になります。
また、この「比率」というのは、
どの業者もホームページ等で各四半期ごとに最新の数値を開示することが金商法で定められています。
掲載の方法は、自由ですが、今なら最新のものでも2013年12月末時点でのものなのが、一般的でしょう。
数値に自信のある業者は、
毎月毎月もしくは毎四半期をヒストリカルに掲載してあるので、
「比率」推移がわかりやすのですが、
そうでない場合、最新の数値のみのこともあります。
ですから、
あなたが、お金を預けている業者のサイトを見て、
まずは2013年12月の数値が消えないうちに確認し、
4月20日頃までに発表される2014年3月末の数値と比較してみましょう。
使っているFX業者の比率はどうなってますか?
区分管理(信託)されているから、大丈夫なんて安易に考えないで、
たまにはチェックしましょ。
2012年、ちゃんと区分管理しないで虚偽報告し、
登録取り消しになった証券会社(FX業者)があったんですからね。
以上、招金猫でした。
それでは、また。